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作り手の声 Munekawa 代表 宗川 佳弘さん

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日ごとに愛着と渋みが増していく、日常づかいの「道具」たち

「愛着感じる物作り」をテーマに、財布や鞄といった革製品を手がける「Munekawa」。
暮らしの中で、気軽に使ってほしいと願って作られるアイテムは、見た目のデザイン性はもちろん、それ以上に強度や使いやすさを常に追求している。
職人ご自身も日常的に使用し、不便を感じればリデザインを繰り返すことで、使い手にとってますます馴染みのいい商品が生まれていく。

Munekawa
1999年に宗川佳弘氏が創業した革製品のブランド。「munekawa」と「OLD and STILL」の2つのラインを展開。
大阪の大国町に工房を構え、直営店も併設している。

革でよく遊んでいたので、僕にとっては布地のように身近なものだった。

宗川さんは、どういったきっかけで、職人さんになられたんですか?

学生時代に、システム手帳を作る企画に誘われて参加したんですよ。
それがすごく楽しくて、「ものをつくる仕事をしたい」ということに気づくきっかけになりました。あと、僕の父が昔、革の問屋をしていたんです。

偶然と過去の背景がうまくリンクしたんですね。

そうですね。小さな頃から、残った革でよく遊んでいたので、僕にとっては布地のように身近なものだったし、馴染みがあったんです。
ものづくりについては、ほぼ自分で勉強しましたが、革の知識は父から教わってどんどん増えていきました。初めの頃は、アルバイトで買ったミシンで商品を作って、フリマに出店してました。

フリマで、ですか。

はい。そもそも中古ミシンがあるなんてことも知らなくて、とにかく必死でした。でも、結果的にそれがよかったのかな、と。ミシンは今も使っていますし、フリマでの出会いをきっかけに、初めての卸先も決まったんです。そこからは、その方のご紹介でいっきに販路が拡がりました。

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見た目のデザイン性よりも、強度や使いやすさを優先するようにしています。

宗川さんが商品をつくる際に、特に重要視しているのはどんなところですか?

僕たちのテーマは、「愛着感じる物作り」なんです。
やっぱり、長く使ってもらわないと愛着ってわかないですし、使っていて不便でもいけない。だから、「便利で長く使える商品づくり」に重点を置いて、見た目のデザイン性よりも、強度や使いやすさを優先するようにしています。
たとえば、修理をしやすいようにひと手間を加えたり、使っていて負担のかかる部分には返し縫いをたくさんいれたり。
そして、僕たち職人も愛着を持てるものづくりを心がけていますね。

アフターケアも受け付けておられますが、修理に来られるお客様は多いんですか?

そうですね。お客様には「修理ができますよ」と、初めにご説明して販売していますので。
以前、10年以上ご愛用いただいているお客様から「使い込んで味が出ている部分は残してほしい」と、修理のご依頼があったんです。でもそれが、すでにマチが貫通しているパーツを取り換える作業で…。なかなか大変でしたね(笑)。でも、そうやって大事に使ってくださっているお客様を知ると、この仕事をしていてよかったなぁと思います。

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やはり、使っている人やシチュエーションを想像して作っているんでしょうか。

作ったものは僕たちが実際に使ってみて、不便だと感じたところは改善していくんです。「型があるから、こう作らなきゃ」という考えではなく、使う人の立場に立って、どんどん便利に作りかえていくんです。
だから、「ちょっと気のきいた」作りになってると思いますよ。

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時を経てすっかり馴染んだマネークリップ型財布は以前のデザイン(手前)。現在のモデル(奥側)は、ミリ単位の調整をしてさらに使いやすく進化した。

そのように手が込んでいる割に、リーズナブルな価格設定だな、という印象があります。

はじめから利益を考えた価格設定をしているというよりは、いい素材を選び、手をかけて作った結果、この価格になった、という感じでしょうか。
商品には、職人以外にもたくさんの人の手がかかっているんですよね。だから、自分だけよければいいっていう考えがいちばんダメだと思うんです。材料費や利益を保ちつつ、お客さんも損をしない価格設定が大事かな、と。これが、本来の商売のあり方だと思うんですけどね。

ところで、ふだん使っているもので、愛着のあるものってありますか?

Munekawaのマネークリップ型財布とコインケースです。このセットが、僕のおすすめ。

男らしい組み合わせですね。(実際に触ってみて)やわらかいですね!

このコインケースは、すごくやわらかくなります。

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宗川さんの私物。渋みのあるコインケースは3年、マネークリップ型財布は3か月使用中。

あと、日常の中でだいじにしてることや、ものがあれば教えてください。

きれい好きになりたいなと思い、実践しています。
きれいにしていると気持ちいいですし、何よりムダがなくなって効率が上がり、「気づき」の幅が広がるんですよ。散らかっていると、ちょっとした汚れや違いに気づかない。
悪いところに早く気づいて改善していくという意識を高めるためにも、きれい好きになりたいな、と日々心がけています。

僕がいいと思う革は、「目」がしっかり詰まっているもの。

商品の話に戻るんですが、革を選ぶときのこだわりはどういったところでしょう。

一般的な意味での「いい革の定義」はないと思っています。硬さや手触りは、それぞれ好みがあるものですから。ただ、僕がいいと思う革は、「目(繊維)」がしっかり詰まっているもの。繊維が詰まっていると、ふやけにくく丈夫で長く使えるんですよ。

それってやはり、ご経験からわかるものなんですか?

そうですね。手触りや見ただけではわからないんですけど、繊維の詰まった革は、断才するときに、「もちもち」っと切れるんですよ。「もちもち」って、僕独自の表現なんですけど(笑)。

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産地についてはいかがですか?

「Munekawa」ラインについては、イタリア産とベルギー産のものを組み合わせて使っています。
国で選んでいるわけでなく、切れ味や目の詰まり具合からするとこれがいいと思って選びます。今後は、別ラインで、日本製の革を使ったシリーズ展開も予定しています。

市場では、流行している革もありますが、Munekawaさんではそういったライン展開はありませんよね。

はい。僕らが使っている牛革は摩擦に強くて丈夫。それに、市場に多く流通しているので安定した素材供給できるんです。価格のわりには、本当にいい素材だと思います。
世間的に○○の革がいいとうたっていても、実際にどう丈夫なのかはあまり言わないんですよね。実は紙みたいにさけやすい素材なんかもあったりして。
たとえば、クロコダイルとかオーストリッチなどの高級なものは、流通量が少ないからどうしても価格が高くなるんです。果たしてそれが生活の道具として適しているかというと、そうではないんです。

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職人になると決心してから必死の思いで購入したミシンは、今も現役。お弟子さんの豊田さんにも受け継がれている。

希少価値は高いけど道具として使うには適さない、ということですよね。

そうですね。生活のじゃまになってしまうので、僕はあまり魅力を感じないんですよね。

そういう事実って、あまり知られていないですよね。

「流行」や「売上」という観点でみると、情報が先走りしがちですからね。

そうですよね。だからこそ、なぜ宗川さんがこの革を使っているのか、というところを僕らもしっかり伝えていきたいですね。

ありがとうございます。
あと、Munekawaでは表面加工を施しています。
ブランドの個性を出すという側面もありますが、高圧でプレスすることでさらに目が詰まるんですよ。革問屋だった父親も、「これはいい革や!」と言ってくれます。

僕たちが作っているものは、あくまでも生活するための「道具」。

最近、僕も、ものの価値について考えていて。「いいもの=高い」が当たり前でなく、価格と品質のバランスが大事かなと思うんです。価格が高くても、いいところを納得して買ってもらうことが大切だなぁと。

「安くていい」という判断も、もちろんありだとは思うんです。
でも、消費者が素材感などの、もののよさに気づくきっかけがどんどん失われているような気がするんですよね。「安くするための企業努力」を重ねた結果、消費者が気づかない間にそうなっていることが多いというか。
僕らは、自分たちが納得できる品質のものを作らないと、自分たちにとっても愛着のないものになってしまうのではないかと思うんです。

価格にあった、簡単に壊れない長く使ってもらえるアイテムを作ることって、僕ら作り手の使命ともいえますよね。

そうですね。気に入ってもらえて、長く使ってもらえるとうれしいですよね。
お客様にとっても、損をしない買い物をしてもらいたいですし。

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ブランドの全ラインを購入できる直営のショップ。

最後に、使い手のみなさんに伝えたいことはありますか?

革製品って、「きれいに使わなきゃ」とか「雨がこわい」とか、敷居が高いイメージがあると思うんです。
でも、僕たちが作っているものは、あくまでも生活するための「道具」なんですよね。使ってこそ価値があるものだし、生活のじゃまにならないからこそ、愛着のあるものになっていく。
メンテナンスしなければ、もちろん寿命は縮むけれど、「絶対こうしなきゃいけない」なんてことはないんですよね。ステッカーを貼ってもいいし、絵を描いてもいいですし。そのくらい自由な感覚で、普段から気楽に使ってもらえると、より愛着がわいてくると思うんです。
キャンバスのトートバッグのように、もっと身近な「道具」として使ってもらえるとうれしいです。

fin.

インタビュアー:杵築佳明(バイヤー)
ライター:山森彩
フォトグラファー:山元裕人

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