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作り手の声 C;atelier 代表 杵築 佳明さん

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追求しつづける着心地のよさ、遊び心とストーリーを持つ定番の一枚

「weac.(ウィーク)」や「eight days a weac.(エイトデイズアウィーク)」など、シャツブランドを中心に展開するC;atelier(シーアトリエ)。
アイテムのひとつひとつに、ストーリーを持たせたものづくりを得意とする。10年経ってもなお追求し続ける着心地のよさと、創業当時から忘れないさりげない「遊び心」あるデザインが、着る人を笑顔にしてくれる。

C;atelier
2003年創業のアパレルメーカー。2004年、大阪コレクションへの参加を機にブランド展開を開始。大阪の細野ビルヂングを拠点に、シャツブランドの展開、OEM生産請負などを行う。

4坪の小さな部屋を借りたのが、「C;atelier」誕生のきっかけ。

まずは、ご経歴をお聞かせください。

広島の出身で、神戸の専門学校でファッションを専攻していましたが、勉強嫌いで、縫いもパターンも苦手でした。でも、絵やデザインだけは得意で、デザインやアイディアは常に頭の中にあったから、まわりの人たちを巻き込みながら、共に形にしていく服づくりをしていました。

若くしてブランドを立ち上げてますが、その経緯はどういったものだったんですか。

専門学校を卒業してから、大阪に住んでいたんです。
ある日、今や僕らの拠点となった「細野ビルヂング」の前を通りかかったんですね。そしたら、たまたまビルのオーナーにつかまって、初対面なのに延々12時間くらい話してたんですよ。

え?初対面で、ですか?

そう(笑)。前から気になっているレトロビルだったんだけど、話の流れで、仲間たちとファッションショーをすることになって。いざ使ってみると、やはりすごくいい空間だったんです。そこから一気に話がまとまって、2003年に4坪の小さな部屋を借りたのが、「C;atelier」誕生のきっかけです。

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これまで培ってきた人脈やセンスを武器に、LAID BACK STOREのバイヤーも務める杵築氏。

C;atelierの歴史は、細野ビルヂングから始まったんですね。

ほんとに、偶然が重なって。
始めたころは若かったし、部屋を借りたらなんだか自信がわいてきて、すぐに仕事がくるような気がしてました(笑)。
もちろん、現実には仕事はほとんどなくて、最初の数カ月はバイトをしつつ、知り合いの方の撮影用の衣装などを手がけていました。

試行錯誤するうちに、現在のベースになるシャツができてきた。

初めから、シャツブランドを展開しようと思っていたんですか?

実は今でもシャツメーカーとは思っていなくて、あくまでアパレルメーカーなんです。シャツをはじめたのは、とにかく自分の武器になるものを持たなきゃいけないと、とにかく好きなことからはじめようと思ったからなんです。
当時はコンプレックスの塊で、特別強みがあったわけでもでないので、「できることをコツコツやってくしかない!」と思って。

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今や、シャツはC;atelierの看板商品ですもんね。その後は順調に進んだんですか?

それが、全然そうでもなくて。シャツをやるなら、ストーリーを描きやすいメンズ商品にしようとスタートしたものの、当時いたスタッフも僕も、メンズのことを何も知らなかったんですよ。
まずは身体の構造を理解して線をひかなきゃいけないんだけど、わからないことがあまりに多くて。日々、作っては直し、作ってはまた直し、を繰り返して試行錯誤するうちに、現在のベースになるシャツができてきた、感じですね。

基礎の研究からスタートしたんですね。

そうですね。あと、一番苦労したのは着心地です。
見た目にスッキリしたものを作ろうとすると、身体の構造上、着心地が悪くなる傾向があるんです。だから、必要なところに分量を残してスッキリとみせるには、どうすればいいのか、ずっと考えてましたね。

具体的に言うと、どのようなことですか。

たとえば、「CASUAL DRESS SHIRTS」の剣ボロ(袖の開き部分)は、剣の内側に入れ込み処理をしているんです。本当に微妙な差なんですが、見た目にもキレイな仕上がりになります。あと、前立ては、ビンテージのシャツによく見られる三角形に織り込む処理をしていています。そういう、男が好む「ロマン」みたいなものを織り込んでいるんです。

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シャツで有名な、あるブランドの処理方法を参考にしたという剣ボロ。

そういう微妙なこだわりの部分が、ストーリー?

そうです。これが僕らのこだわり。こういうディテールにこだわることで、知ってる人には伝わるものがあって。あとは、足の高い貝ボタンや生地でドレス感を出して、そこに遊び心として立体ポケットをいれたりして。見る人がみたら「おもしろいね」と思えるさりげない遊びと、着心地のよさをあわせた商品になっています。でも、それを全面に出したいとはまったく思っていなくて。こういう技法みたいなものは、ストーリーを伝える手段として考えてます。

僕らが今まで培ってきたものをトータルで提案できるブランドにしたかった。

「eight days a weac.」を立ち上げるきっかけはあったんですか?

「weac.」は、遊び心とかデザイン性を重視したブランドなんだけど、「eight days a weac.」は昔から続いてるディテールを取り入れたり、世界中からクオリティの高い生地を厳選し、国内トップクラスの縫製工場で作っています。つまり、最高のクオリティを追求しながら、僕らが今まで培ってきたものをトータルで提案できるブランドにしたかったんです。

生地は毎回どうやって選ぶんですか?

これは、感覚としか言いようがないんだけど。肌触りや、繊維の詰まり具合、洗いにかけたときの生地のイメージ、時を経たときの表情、糸との組み合わせ、デザインなど、ひとつひとつ想像しながら、感覚で選んでいるのに近いかな。

デザインについてはどうですか?

基本的には、縫いあがったときのイメージが先にきて、具体的なデザインをしていきますが、いい生地があればそこから派生したデザインを考えることもあるし、ケースバイケースですね。
すごくオーソドックスで、デザインされていないように見えるものでも、うちにしかできないパターンで作ればそれも立派なデザインだし、着心地もそうです。だから、一概に「これが僕らのデザインです!」という感覚はあまりないかもしれません。

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つまり、デザインという言葉の概念もそのときによって変化していくと。

そうなんです。ひとつ、ひとつ違うものだから。
だけど、ノーマルなものは出したくないという想いは常にあります。
今は、似たような商品が溢れているし、セレクトショップに行けばオリジナル商品はうちよりもぐっと安い価格で売ってますし。そことは違う価値をどこに持ってくかが、僕らのブランドの課題なのかな、と。

僕らは正当な理由でしか値上げはしない。

定番の「ZIP SHIRTS」についてはいかがですか?

この商品は、ブランド初期の8年くらい前からやっています。
この頃は、ストーリーというよりも、見栄えとしてのデザイン性を出したいと思っていました。ジップ付きでブルゾン感覚でも着れる商品にしたいなと思い作ったのがこの商品です。

閉め方によって、前身ごろのサイズが変わりますよね。

かなり身体の構造を研究して作ったので、どちらでも着心地がいいように設計はしてあります。ただ、身体の構造にあわせると、ジップで閉めるのが正解。だから、ボタンで止めるときはひとつボタンを外して着てもらうくらいがおすすめです。

ブランドって、付加価値がつくと値段が上がることもあるじゃないですか。その辺についてはどうお考えですか?

それは、ブランドごとの考えがあると思いますが、僕らは正当な理由でしか値上げはしません。自分たちが「この値段で買うかどうか」をかなり意識しています。利益は最低限まで削って提供しているので、決して高くはないかなと自分たちでは思っているんですが…。
今の時代って、値段をどんどん抑えていく傾向にあって、製造の過程のどこかに無理が生じてると思うんです。実際に、製造の現場ですごく安い値段で商品を作っているのを目の当たりにすると、それを続けることで誰が得するんだろうと思うんです。

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年に2回行われる受注会での出会いが、新しい商品のヒントになることも。

毎回、同窓会みたいな雰囲気になっちゃって感動しますよね。

商品の市場価値に関係なく、その「もの」の価値として値付けをしているんですね。

そうですね。ZIP SHIRTSは、生地値が上がった分商品代も高くなってしまったんだけど、国内有数の工場と取り組むことで、品質は高くなっているんです。あと、年に2回、受注会を開いていることも大きくて。

と、いうと?

もう5〜6年続けてるんですが、毎回受注会には必ず顔を出すんですね。そうすると、大学生だった人が社会人になってたり、結婚する人がいたり、子どもができていたりして。そういう人たちを家族のように大切に思いますし、急に値段を上げたり、裏切るようなことはできないんですよ。

エンドユーザーさんと直接お会いするってことですよね?

そうです。毎回、同窓会みたいな雰囲気になっちゃって感動しますよね。
学生時代からずっと着続けてくれて、クローゼットがうちのシャツで埋まってるなんて話を聞くと、やっぱりうれしい。

ユーザーさんとの距離がすごく近いですね。

そうですね。そういう関係ができている現在と、10年前の自分とは違うし、既存のお客様に対して今の自分の気持ちがどういうものかを、コレクションとして発表することは僕にとってすごく大事な仕事だと思ってます。
そういうことも手伝って、ここ数年は、自分の中でボーダーラインを決めずに、何ごとも力を抜いて考えられるようになって、やりたいことをできていて。その分、スタッフに苦労をかけてますけど(苦笑)、すごく感謝してます。

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自分の手や足を使って得たものって、誰にも真似できない感覚だと思う。

デザイナーとして、動ける範囲が拡がった感じですか?

そうですね。あと、今後はブランドとは別の、自分なりの武器を身につけたいと思っています。正直な話、デザインは誰でもできるって思うんだけど、自分の手や足を使って得たものって、誰にも真似できない感覚だと思うんです。たとえば、工場に直接足を運ぶ機会が増えたら、少しずつ知識が蓄積され、人脈が増えてくる。そして今度は、自分の目で見たり感じたものを、人に伝えることもできるようになって、企画やデザイン提案の幅が拡がってきたんです。

立ち位置が微妙に変化してきてるんですね。

自分が持っているセンスみたいなものを、うまく活用できる仕事がしたいとずっと思ってたんですよ。「LAID BACK STORE」もまさにそうなんだけど、自信を持って「これはいい商品だ」って発信できる仕事をしたいなぁと。
そういう意味では、ちょっとずつだけど、やっと種まきができてきたかなって思うんです。

10年続けていても、まだ種まきの段階なんですね。

やっぱり、長くお付き合いをしたいって思うんです。長く続かなかいとすごく切ないんですよね。だから、せっかくできた人間関係の中でその人のためにできることがあればやりたいし、一緒に成長したいと思ってるんです。おかげさまで、10年来のお付き合いの方たちとは、なんでも話せることができてすごくうれしいし、幸せなことだなって思うんです。

最後に、ユーザーに伝えたいことはありますか?

僕らの商品には「ストーリー」があると言ったけど、それを全面に出すつもりはなくて、さりげなく気づいてもらえればいいものなんです。デザインをみて「これかわいい!」くらいの感覚で選んでもらって全然いいと思ってます。
「weac.」のコンセプトにあるように、「嫌な事があった一日でも着ている服が特別なら、そんな日も少しは笑顔になれるはず」っていうのは、そういうことなんですよね。

fin.

インタビュアー:山森彩
ライター:山森彩
フォトグラファー:山元裕人

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