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作り手の声 LIGURU 代表 二木 奈緒さん

ディテールへの気配りが生んだ、暮らしを楽しくする自転車バッグ
「自分の手を動かして、ものを作るのが大好き」と笑顔で語る二木さん。
全行程を通して、ご自身の手で一点ずつ作られる鞄は、自転車に乗る人はもちろんのこと、普段づかいにもおすすめのユニークなデザインと、機能性にすぐれたアイテム。ユーザーの声をとことん反映して作られたという商品は、「こんなのほしかった!」と、納得できる一品。
LIGURU
2010 年に、二木奈緒さんが立ちあげたブランド。現在は自転車バッグを中心に、型紙から縫製まですべてご自身の手で作っている。
きっかけは、日々の「あったらいいな、こんなもの」。
自転車グッズを作ろうと思ったきっかけは何だったんですか?
そもそものきっかけは、大学時代を過ごした京都でのギャラリー巡りでした。京都には、ギャラリーがいろんな場所に点在していて、1日でまわるのは一苦労で…。そんなとき、友人の勧めで自転車に乗るようになって。「普通の鞄だと前にずれる」とか「メッセンジャーだと背中が暑い」といった発見を、友人と話していくうちに「こういう鞄があったらいいのになぁ」と、作り始めたのがきっかけです。
学校では、どういった勉強をされていたんですか?
舞台衣装に近いファッションアートを勉強した後、視野を拡げるために、彫刻コースに編入しました。現代美術に特化したコースだったのですが、ファッションアートを学んでいた頃から、金属で骨組みを作るなど実験的な洋服づくりをしているうちに、人体を超えていろんな素材で表現をしたいと考えるようになったんです。だから編入後は、布に限らず様々な素材を使った作品制作や、洋服や写真を使ってインスタレーションのようなことをしていました。

ファッションと彫刻の経験があったからできた、理にかなった構造。
それからすぐに、ブランドを立ち上げたんですか。
卒業してから数年は、大学の研究室で助手をしながらアトリエを間借りしていました。とてもクリエイティブな環境で、尊敬する人たちも多く、刺激を受けて過ごしていたのですが、いつからか手を動かさない時間が増えていったんです。恵まれた環境にいるのに、何もしていない自分に疑問が湧いてきて、一旦、居心地のいい場所から離れて、1 人で何ができるのか本気で考えようと思ったんです。そうやって模索していたところ、知人からコンペの参加を勧められたことをきっかけに、「LIGURU」を立ち上げ、2009 年頃から本格的に鞄を作りはじめました。
理にかなった構造になっているのは、ファッションと彫刻両方への理解があるからなんですね。
そうですね。その 2 つの経験があったから、すんなりと鞄づくりを始めることができました。生地は使い慣れているし、何より、頭の中のイメージを立体に起こす瞬間がおもしろくて、これまでやってきたことと共通する部分が多いのでスムーズに作業を進めることができます。

商品を手にすると、手づくりのよさをすごく実感します。
私自身、商売ありきというよりも、手を動かして作ることが、純粋に好きだから作り続けているような感覚で。生産ラインの確保も考えてはいるのですが、自分の手を使って作らないと、私のものづくりの楽しみの大部分がなくなってしまうんです。そうなると、ブランドを続ける意味がなくなってしまうような気がして…。
自分の手を動かして、全行程を作れるっていいですよね。
そうなんです。だから、商品が完成して喜んでもらえたときは毎回、純粋にうれしくて、「これ以上の喜びはないなぁ」と思うんです。だから、お客様と頻繁にやりとりをしながら、自分の手で作ることはこれからも続けていきたいし、その中でブランドとしてどのように成長させていくかは、今後の課題ですね。

作ることの中に、「楽しい」の大部分が詰まっている。
二木さんの日常生活で、大事にしていることはありますか?
1人で作業をしているので、オンとオフの切替えは大事にしています。商品をお届けしたときに、自分の生活の一部が感じられるようものではいけないと思うので。私の場合、ミシンがすごく好きで、趣味と実益を兼ね備えた仕事をしているからこそ、徹底して切替えをするようにしています。
作ることが、ほんとに好きなんですね。
そうですね。私の場合、「苦しい」とかすべてのことを含めて、「楽しい」の大部分が作ることの中に詰まっているんです。鞄を作る中で、行き詰まることもありますが、問題を解決するには、手を動かしてひとつずつ丁寧に作業していくしかなくて。迷走して手が止まったときは、型紙をひいて洋服を作ったりしていると、ふと解決の糸口やヒントが浮かぶ瞬間があるんです。そしてまた、鞄の作業に戻る...という繰り返しです。ただ、手が上がらないとか力が入らないときは、続けても失敗するので、リセットするためにミシンから離れて、まったく別のことをします。何もしないまま1日が終わると、その反動からかモチベーションがさらに上がって、次の日はミシンを踏みたくて仕方がないんです(笑)。

必要最低限の機能とシンプルなデザイン。
Twin'cle bag のこだわりは、どういったところにありますか?
自転車のフレームに取り付ける鞄なので、決められた形の中でサイズはもちろん、素材や強度、ディテールや三角形の角度など、何度も試作を繰り返し、実際の使い勝手も確認しながら製作しています。
自転車に乗る人って、すごく自転車を愛している人たちなので、できる限りじゃまにならないものにしたいんです。ロードバイクや MTB、ミニベロなどはもともと格好いいものなので、雰囲気を損ねないように必要最低限の機能とシンプルなデザインを心がけています。そこに、地図やフリーペーパーを挟めたり、ほかのアイテムと組み合わせて楽しめるような仕掛けも常に考えています。

使い手の気持ちを、すごく考えて作られた構造ですよね。
まわりの感想や意見なども積極的に取り入れています。1人で作っていると、全体が見えなくなるときがあるので、できるだけヒアリングして具体化していきます。自分では「こっちのほうがいい」と思っていても、人から見ると必ずしもそうではなくて。でも、そこには必ず理由があるんですよ。だから、まわりの声を聞くことで、自分ではわからなかったことに気づかされることが多いです。
その人を輝かせる鞄でありたい。
あと、男女共に使いやすいアイテムですよね。
そうですね。男女の比率で言うと、半々くらいの方にご使用いただいています。特に女性の場合は、自転車に乗るときに荷物があると体に負担がかかって走りにくいので、自転車に取り付けることで姿勢も安定して走りやすいと感想をいただきます。あと、男性の場合は、ファッションアイテムのひとつとしてコレクションしてくださることも多いです。

最後に、使い手の皆さんに伝えたいことはありますか?
「LIGURU」を立ち上げたときから変わらず、その人のライフスタイルに寄り添う鞄、その人を輝かせる鞄でありたいという願いのもと作っているので、ご使用いただくうちに少しずつ「定番」になってくれたらいいなと思います。
日常の中に、少しエッセンスを取り入れるような感覚というか…。この鞄があることで自転車生活がもっと楽しく円滑になっていくような。あと、2つの鞄がくっついているような構造なので整理しやすく、自転車に乗らない人にも普通の鞄としてもおすすめなので、純粋にデザインを楽しんでもらったり、自転車を始めるきっかけになったらいいなと思います。そういうことも含めて、「LIGURU」の鞄がどこかで、誰かの「楽しい」のきっかけになれば嬉しいです。
fin.
インタビュアー:杵築佳明(バイヤー)
ライター:山森彩
フォトグラファー:山元裕人
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